今日はI楽器店の面接だった。三人でのグループ面接だが、右側に座った奴が少しいけすかなかった。
僕自身が面接に慣れていないということもあり、思いの丈をすべて表現できなかったのが悔やまれる。
もらった交通費の千円で寿司を食べる。生の鯖寿司というのは、とてもおいしいものだということを初めて知った。いつも〆鯖やバッテラばかり食べているから、文字通り新鮮な味わいがあった。なんでも長崎のハーブ鯖というらしい。
就活は、ぜんぜん本気を出せていないのに、早くも嫌気が差してきている。
というか、寿司でも食べないとやっていられないほど就職活動というのは不愉快なものだ。あれほど人事部長が人当たりがよく交通費も出してもらえるI楽器店ですら嫌な気分になるのだから、これが圧迫面接などしてくる企業だったらどれほど嫌になってしまうのだろうか。僕の同世代で就活を苦に自殺した人、もしくは心を病んでしまった人が多いという話もうなずける。
ま、僕は童貞を捨てるまで死ぬ気はないけどな。ハハッ。
夜、三軒茶屋Obsoundsで寺久保エレナのライブを観る。
寺久保エレナは17歳ながら化け物じみたテクニックとフレージング能力をもつアルトサックス吹きだ。最近、ニューヨークでハンク・ジョーンズやロン・カーターも参加してレコーディングしたらしい。凄いことだ。
共演は金澤英明(b)、江藤良人(ds)、多田誠司(sax) でピアノレスのカルテット。多田もリズムの二人も相当の実力者で、聞き応えがあった。
スピーディーな曲ではエレナは多田を凌駕するようなフレーズを繰り出していたが、バラードではやはり年の功というべきか、多田の色気のあるフレーズに軍配が上がる。しかしエレナは、とても17歳とは思えない魅せるプレイで演奏の場を引っ張っていく。
彼女の課題としては、まだ手癖フレーズが多く、どの曲も盛り上がりはするものの、やや一本調子になってしまう点があるだろう。
もっとも、それ以外は堂々としていて、ミュージシャンシップと大器を感じさせる逸材であるし、課題はこの歳にしてはむしろ少なすぎるといってもいいほどだろう。MC2500円、もろもろ含めて5000円を払う価値は十分にある。
ドラムの江藤さんは松本人志にそっくりで笑った。凄腕である。ベースの金澤さんはMingusを彷彿とさせる容貌と野太い音でなかなか魅力的。あと、多田師匠はCrazy Ken Bandの横山剣にちょっと似てるなーと思った。
ライブ終了後、同行のI氏とマックで少し話す。僕はもうサークルにコミットすべき時ではなく、去る潮時だと思っているのだが、I氏はそうは考えていないらしい。他にも二、三、見解の相違。昔だったら、こういう話にはならなかったのかもしれない。しかし、決して悪い傾向ではない。
I氏は明日、九州に旅立つそうだ。精一杯演奏して、うまいものをたくさん食べて元気で帰ってきてほしいものだ。