今日は朝からずっと冷たい雨が降っていて、時おり強い風も吹いてくるような、なかなか辛い気候だった。
午前中~昼までは特にすることもなかったので、ベースでバッハの『無伴奏チェロ組曲』1番を練習して過ごす。
「無伴奏~」はカザルス解釈版の楽譜を買って一月ほど前から練習しているのだが、やはり一筋縄ではいかない曲ばかりである。しかも、この1番がもっとも簡単だというのだから、まだまだ先は長い。(もっとも、別にすべての曲を弾けるようになれるとは思っていないし、特に後半はウッドベースでは完全な演奏がほとんど困難なものも多い。)
目標としては、1番は年内に暗譜するレベルまでにはなりたい。2番、できれば3番あたりも弾けるようになりたいものだ。今のところピチカート(指引き)で弾いているけれど、ゆくゆくはアルコ(弓引き)でも練習していくつもりだ。
それにしても、実際に演奏していると、音源を聴いているだけでは分からないことがいろいろとわかってくる。和音のきれいな部分、表現に苦労する部分、「・・・どうやって弾いているんだ?!」と驚くような細かい動きのある部分。
そうして、演奏するごとに気付く。ひとつひとつのパッセージをとっても、それぞれの曲の構成をみても、「無伴奏~」が非の打ち所がない、あまりに美しい音楽であるということに。こんなものすごい音楽を250年前に構築してしまったのだから、バッハという人はどれほど時代を先取りしていたのかと、思わず溜息が出てしまう。
谷川俊太郎が詩の中に謳っているように、たしかにヨハン・セバスチャン・バッハは虚空に音で伽藍を築いたのだと思う。
昼下がり、従弟といっしょにサミットで買い出し。豚肉などを買い、ねぎ味噌で炒めて食べる。中華料理でいう「葱爆猪肉」に似た料理である。油をちょっと使いすぎてしまったけれど、ご飯によくあっておいしい。
夜、レッスンのため横浜に出かける。東横線は普段たまに乗るだけなのだが、同じ投球でも田園都市線とすこし雰囲気が違っていておもしろい(どう違うか説明するのは難しいのだが、田都が途中まで地下鉄なのに対して東横はほとんどが地上というのも雰囲気の違いを創り出しているのかもしれない)。
帰りのラッシュのため、車内はかなり混雑していた。途中、初老の男性の携帯をチラッと見てしまったのだが、男性はその息子とおぼしき人が差出人のメールを順繰りに読んでいて、その内容が子育ての近況報告に加えて、その息子――つまり男性の孫ということなのだろうか――が、脳に何か障害でもあるのではないかと危惧しているというような内容だった。図らずも、人生の一局面をのぞき込んでしまったような気がした。
レッスンでは、親指の位置にとにかく気をつけるように、そのためには常に自分が場所を意識するしかない、というアドバイスを先生からいただいた。毎回注意するようにはしているのだが、なかなか指の癖で親指が上の方に行ってしまう。これも、直していかなければなるまい。
帰りにヤングマガジンを買って帰る。連載漫画はほとんどが相変わらずのひどい内容で、迷走ぶりもはなはだしい。見るべきものは柏木ハルコ『も~れつバンビ』ほか二三の漫画しかない。しばらく待ってみて代わりばえがしないようなら、いっそ『ビッグコミックスピリッツ』に乗り換えようかな、とふと思ってしまった。
相変わらず、雨はやまない。風邪を引かないように、今日はそろそろ寝たほうがよさそうだ。